薬を飲んでいる男性

世界的にみると性感染症は地域によって傾向は異なるものの、性感染症は公衆衛生上重大な脅威と認識されています。サハラ砂漠の以南地域ではエイズの流行により平均寿命が短命化する傾向に、依然歯止めがかかっていない状況です。日本国内では戦後の公衆衛生環境の改善で患者数は一時期、激減していました。ところが最近では男性女性ともに性感染症の患者数の流行が問題になっています。自覚症状がないまま、感染を広げている場合もあります。

性感染症(性病)とは

ここで性感染症の意義を確認しておくと、性行為が原因で病原性微生物に感染し色々な症状を呈する病気のことです。原因となる微生物には淋菌感染症による淋病や、トレポネーマ感染による梅毒のように細菌だけでなく、尖圭コンジローマや性器ヘルペスウイルス感染症などのようにウイルスが原因となっている場合もあります。

従来から4大性病として有名だった感染症のなかには日本国内での感染例がほとんど見られない病気もありますが、梅毒や淋病のように細菌になって患者数の増加傾向が顕著な病気もあるようです。抗生物質が開発される以前の時代では、適切な治療法がなく長期間にわたって経過する事例もすくなくありませんでした。梅毒のように根治的に治療しないかぎり、最終的には生命にかかわる転帰を辿る場合も珍しくなかったわけです。

しかしながらペニシリンを初めとした各種の抗生物質の登場で、性感染症により生命にかかわる事態にまで病気が進展することはほとんどなくなりつつあるといえます。例えば梅毒になって鼻がなくなったとか、中枢神経に感染が拡大して意識障害を来たすなどの重症症例はほとんど見られなくなっています。

公衆衛生環境の改善と臨床医学の発展によって、この感染症の脅威は撲滅したかに見えますが、現在では新たな問題に直面しているのも見逃せない事実です。生命にかかわる点から重要なのは、HIV感染者数の増加です。HIV感染症に罹患し免疫機能低下などで、所定の23種類の病気の内どれかひとつを発症すればエイズと診断されることになります。先進国では軒並みHIV感染者数は減少傾向になるなかにあって、日本だけは例外的に感染者数が増加を続けています。

また子宮頸がんの原因とみられているHPV(ヒトパピロマウイルス)感染症も、深刻な課題を突きつけているという問題もあります。HPV感染症も性行為を介して感染するため、性感染病の一種です。感染してもほとんど治癒しますが、まれに感染が継続すると子宮頸部にがんを発生させることがあります。

子宮頸がんは毎年数千人の死者をだしており、多くが年少児を抱える年齢のことからマザーキラーの異名もあるほどです。ワクチンの有効性や安全性には議論がありますが、女性にとって大きな脅威なのは間違いありません。

日本で感染者が多い性感染症(性病)

原因となる細菌やウイルスにより、性感染症には数多くの種類があることが知られています。それでは実際にどのような病気が日本国内の男性と女性では、数多く感染しているのでしょうか。性行為は人間の根源的欲求であるだけに性行為が介在する感染症患者の把握などは、保険財政に関連する問題だけに公衆衛生を管轄する厚生労働省にとっても感心の高い問題です。

この問題を所管するのは、厚生労働省になります。厚生労働省では性病感染者数に関する定点観測結果を発表しており、そのデータを参照すると日本国内における性病の実態を把握することができます。

性感染症報告数に着目してみると、性病は男性女性をとわず、性生活のある年代では常に念頭に置かなければならない事実に気付かせられます。厚生労働省の平成11年4月以降の定点観測結果で、一貫して患者数が多いのは性器クラミジア感染症になります。性器クラミジア感染症とは同名の細菌が主に性行為を介して性器やその周辺に炎症を来たす病気です。平成14年ごろには、性器クラミジア感染症の患者数は4万3000人をピークにしているものの、その後も年間2万5000人前後の患者数で推移しています。

厚生労働省の調査で二番目に多い性病は、淋菌感染症です。淋菌感染症は淋菌が性器やその周辺に感染して主に淋菌性尿道炎を発生させます。炎症が重篤になると尿道が閉塞することがあり、かつては特殊な器具で尿道を拡大するという治療が選択されることもあったようです。潜伏期間が短く男性に症状が強くでるのが特徴です。戦後は急減していましたが、最近では活発な性生活を持つ男女が増加したことが反映し、年間8000人前後の患者が新規に発生しています。

これらに性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマが続きます。性器ヘルペスウイルス感染症は有痛性の水泡が性器に発生するのが特徴です。口の周りにできる口唇ヘルペスの仲間のウイルスですが、性行為で感染するため性感染症の一種なのは明らかです。

尖圭コンジローマもウイルスが原因で発症しますが、性器ヘルペスウイルス感染症に比べて、いたみなどの自覚症状に乏しいイボが性器に複数個発生する点に違いがあります。

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