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性感染症が及ぼす妊娠・出産の影響にはどのようなことがあるか?

性感染症は妊娠や出産の場面において深刻な問題を提起する場合があります。性感染症に対する意識が低いために、不妊や流産・母子感染などのリスクが顕在化することもあります。これらの感染症が妊娠や出産にどのような影響を及ぼすのか検討してみましょう。

女性において最も患者数が多い性感染症には性器クラミジアがあります。性器クラミジアは女性が感染しても自覚症状に乏しい場合がむしろ一般的です。性器クラミジアの自覚症状としては、外陰部や膣などの発赤やかるい痒みがある程度のことが多く、なかには全く自覚症状がないこともあるほどです。そのため早期治療の機会を逸することが多く、性器クラミジアが慢性化してしまう場合もあるのです。

クラミジアによる感染範囲が外陰部や膣からさらに波及して、子宮内部や卵管や卵巣に及ぶ場合があります。卵管や至急にクラミジアの炎症が波及すると、卵子の通り道が狭窄してしまう後遺症が残る場合があります。卵管は受精した卵子が子宮に戻る経路になります。この部分が狭窄すると、受精卵が子宮に定着できないので不妊症になったり、流産の原因になってしまう場合がしばしばあります。あるいは受精卵が腹腔内部に定着する、子宮外妊娠のリスクも高くなる訳です。

また妊娠に成功して、出産にまで至った場合でも、産道感染のリスクが否定できません。産道感染とは出産時に新生児が子宮から膣にいたる産道を通過する際に、大量の体液を浴びることになります。体液や血液には性感染症の原因となる細菌やウイルスなどに暴露することに。その結果性感染症に罹患した状態の赤ちゃんが生まれてくることになるのです。そして、深刻な後遺症が残ったり、治療が長期化するリスクに直面することになります。産道感染のリスクを回避するために、自然分娩は諦めて、帝王切開に踏み切る場合も珍しくありません。

したがって少なくとも妊娠を計画するなら、速やかに検査を行い性感染症に罹患していないか否かを明らかにすることが大事です。検査の結果、何らかの性感染症にかかっていることが判明しても早期治療のチャンスが大きくなるので、妊娠前にきっちり治癒させることが可能です。

そして性感染症の治療は必ず、パートナーも一緒に同時期に受けることがポイントになります。一人が治療しないでいると、せっかく治癒しても再感染するピンポン感染のリスクがあるからです。性感染症のなかでも自覚症状の少ないクラミジアなどは特に妊娠時は注意が必要と言えます。